課題
ヨーロッパの大手工具メーカーが当社に提示した課題は、非常に難易度の高いものでした。 六角ソケットを備え、側面にはフライス加工を施した、複雑な旋削部品の製造を求められたのです。
この部品は当時、南ヨーロッパで6つの作業工程を経て製造されていました。製造拠点をアジアに切り替えたのは、ほかでもない、コスト削減のためでした。
タスクの特殊性
お客様の目標価格は野心的でしたが、野心的だったのはそれだけではありません。 六角ソケットに要求された0.03 mm未満という許容誤差もまた、たやすく達成できるものではありませんでした。そのため、現在ヨーロッパで使用されている工程の初期サンプルは期待外れのものとなっていました。
ダココのソリューション
まったく新しい生産戦略が必要であることが、すぐさま明らかになりました。 この目的のため、まずは加工時間と調達コストの比率が最も優れているタイプのマシンを選定しました。
すべての加工を1台のマシンで実行できる必要もありました。このため、堅牢性の面で特に優れている主軸移動型旋盤の使用が決定しました。次に、実現可能性について調査を行い、サンプルを製作し、試験的に生産を行いました。その後、量産開始となりました。
細かな積み重ねが大きな違いを生む
従来必要とされていたさまざまな工程手順を排除したことが、決定的な革新をもたらしました。 手作業を一切行わず機械で製造することで、工程を最大限に安定させるとともに、部品の品質向上を実現できたのです。
このお客様のために購入した装置の減価償却が済んだ後、計画通り価格がさらに引き下げられました。この点については複数年契約ですでに定められていました。
さらに、機械加工と工具設計の面でさらなる最適化を実施したことで、生産性がいっそう向上し、お客様側のコストも契約で合意した以上に削減できました。
お客様にとってのメリット
- 製造コストを持続的に削減
- 品質基準への完全準拠