課題
建設機械を専門とする商用車用バルブおよびバルブブロックの大手メーカーは、中国での市場シェア拡大を望んでいました。 厳しい競争に勝ち残るためには、バルブの価格を下げる必要がありました。さらに、部品の製造は中国国内で行い、組み立ても中国の自社工場で行うという計画でした。高いコスト圧力を受けつつも国際ブランドの品質基準を満たすため、最高水準の品質を維持する必要がありました。
タスクの特殊性
バルブハウジングには、スイスのSwisssteel社が独占製造する、非常に硬いETG 100鋼が採用されていました。 持続的なコスト削減を図るためには、材料の節約も必要になっていました。
材料の硬度が高く非常に高い精度が要求される上、交差穴が多いとあって、バルブハウジングの製造は機械的に見ても非常に複雑な作業になります。バルブの性能に影響するため、交差穴まわりのバリやベベルは一切排除する必要があります。
ダココのソリューション
材料選択のコスト削減を実現するため、ダココは中国製の焼き入れ鋼1144で製造した部品を同社に提案しました。 この材料は焼き戻し後でも30HRCを超える硬度を備え、テストの要件も満たした上、材料コストを約50%も削減できました。
ダココは、バルブに使われているほぼすべての旋削部品を同社に供給しています。バルブハウジング製造のローカライズも、すべての品質仕様に準拠しながら成功させることができました。
細かな積み重ねが大きな違いを生む
バルブハウジングブランクの内径精度は、下流工程の安定性にとっても非常に重要です。最高の精度を実現するため、ダココは特殊なセラミックベアリングを搭載したた日本製の主軸移動型旋盤で部品を製造しています。精密旋盤で内側の旋削を行い、10 µm未満の許容誤差範囲内に収まるまで内径を調整します。こうすることで、最終的なホーニング仕上げに要する材料の量を最小限に抑えることができ、非常に高価なホーニング工具では特に、節約につながっています。
お客様にとってのメリット
- 巧みな材料選択により、コストを50%削減
- 製造工程で詳細まで巧みに選択することで、さらなるコスト削減を実現
- 一貫して品質要件に準拠